🐱こんにちは。京橋コパン動物病院の髙倉です。
私は、地元の大阪で動物病院を開業し、同院で院長をしております。診療時には、飼い主さんと猫ちゃんとの出会いや生活の様子をしっかりお伺いさせていただき、治療方針をご提案するように心がけています。
日々の診療の中で、たくさんの猫ちゃんと飼い主さんにお会いしていると、「この方は安心だな」と感じることもあれば、「少し心配かも…」と思うこともあります。今日はその違いを、獣医の立場から少しだけお話しします。
💙安心できる飼い主さんの特徴
猫の状態をしっかり把握している
「ごはんは食べています」「おしっこは昨日の夜にありました」といった日常の様子を正確に伝えられる方は、とても安心です。
ある患者さんは、このようにご自身で作られたノートを持参していただき、猫ちゃんの日常の様子をしっかり伝えてくれましたので、私も猫ちゃんの状況を正確に知ることができました。
猫は体調の変化を隠す動物。食事量や水の摂取量、排泄の回数・量などの“小さな変化”こそが、病気の早期発見につながります。
トイレや給水機が自動で体重や飲水量、排泄回数を記録してくれる機能は、診療の現場でも非常に役立ちます。
「最近、飲水量が増えている」「排尿が減っている」といった変化は、腎臓病や糖尿病などの初期サインであることも多いのです。
猫ちゃんの“いつも通り”をデータで把握できることは、何よりの安心材料。
日々の観察とデータの記録を組み合わせて見守ってくださる飼い主さんは、本当に頼もしい存在です。
ペット保険に加入している
動物医療は人の医療と違い、公的保険がありません。
検査や治療の内容によっては、決して安くない費用がかかることもあります。
ただ、ペット保険に加入されていると、私たち獣医師も費用面を気にせず、より幅広い治療の選択肢をご提案しやすくなります。
結果的に、猫ちゃんにとって最適な医療を受けやすくなるのです。
また、実際に保険に加入していなくても「お金のことは気にせず、必要な検査は全部してください」と言ってくださる飼い主さんもいらっしゃいます。
その信頼と覚悟は、私たちにとって本当にありがたいものです。
猫ちゃんの健康を第一に考えてくださる、その気持ちが何より大切だと思います。
獣医師の仕事への理解がある
動物は言葉を話せません。だからこそ、検査や観察を通して「体の声を聞く」ことが私たちの仕事です。
ただ、どれだけ丁寧に診ても、すべてを完璧に見抜けるわけではありません。
猫ちゃんが感じている違和感や痛みを、完全に代弁することは難しいのです。
それでも、少しでも早く異変を見つけられるよう、日々努力しています。
「先生にお任せします」という言葉は、私たちにとって本当に心強く、励みになります。
検査結果やワクチン記録をきちんと保管している
過去のデータや予防歴を整理して持ってきてくださる方は、診療がとてもスムーズです。
猫ちゃんのこれまでの状態がわかるので、とても助かります。
💭ちょっと心配な飼い主さんの特徴
待合室や診察室でキャリーから猫を出してしまう
猫は環境の変化が苦手です。突然の音や他の動物に驚いてパニックを起こし、脱走してしまうこともあります。
待合室では他の猫や犬もいるため、キャリーは絶対に開けないようにしましょう。
診察室でも、獣医師が指示するまではキャリーを開けず、そのまま待っていただくのが安全です。
とある患者さんで、待合室でキャリーを開けてしまい、猫ちゃんが暴れてしまい、その日は治療ができなかったなんてこともありました。
猫を落ち着かせ、安全に診察を行うためには、キャリーの中にいる時間も大切です。
さらに安全のため、キャリーの中で猫ちゃんを洗濯ネットに入れておくのもおすすめです。
外でキャリーの扉が誤って開いてしまっても、ネットに入っていれば脱走の心配がほとんどありません。
猫ちゃんの命を守る、とても簡単で効果的な工夫です。
「検査はかわいそう」と止めてしまう
お気持ちはよく分かりますが、検査をしないと原因が分からず、結果的にもっとつらい思いをすることもあります。
検査は“猫のため”に行うものなのです。
診察中に猫を離さない・看護師に保定させてくれない
猫がかわいいという気持ちはよく分かります。
でも、診察中や採血のときに飼い主さんが抱いたままだと、猫が急に動いてケガをしてしまうことがあります。
実際に、頑なに猫ちゃんを抱いたままで治療をしてほしいと依頼されても、当院ではお断りする場合もございます。
安全のためにも、保定(動かないように支えること)は訓練を受けた看護師に任せてください。
私たちは猫ちゃんにできるだけ負担をかけないよう、体の大きさや性格に合わせてやさしく保定しています。
少し離れて見守っていただけるだけで、診察がスムーズに、そして安全に進みます。
毛づややお手入れが行き届いていない
毛玉やべたつきは体調不良のサインになることも。
ブラッシングや爪切りなどの日常ケアは、健康チェックの第一歩です。
治療費を想定していない
病気は突然やってきます。
「そんなにかかるとは思わなかった」と慌てる前に、医療費の目安や保険の補償内容を確認しておくと安心です。
🐾おわりに
どの飼い主さんも、猫を思う気持ちはみんな同じです。
ただ、ほんの少しの「知っている」「準備している」で、猫ちゃんの健康と安心がぐっと守りやすくなります。
データを“見るだけ”ではなく、“感じ取るきっかけ”として活かしてもらえたら嬉しいです。
これからも猫ちゃんとの暮らしが、より穏やかで幸せなものになりますように。
―― 京橋コパン動物病院 髙倉裕人 獣医師



